80代のほとんどの人が発症する白内障
白内障とは、水晶体が年齢とともに白く濁って視力が低下する病気で、様々な原因で起こります。最も多いのは加齢によるもので、これを加齢性白内障と呼ぶ。遺伝による先天性、加齢による老人性、糖尿病や甲状腺機能障害などに起因する代謝性などがある。
また、外傷、網膜や視神経の障害、アトピー性疾患、低栄養、紫外線、薬の副作用などからも起こる。文字が見えづらい、かすんで見えるなどの症状があるが、日常生活に支障がない場合は点眼薬で進行を遅らせる。
症状
●文字が見えにくい ●目がかすむ ●羞明(光をまぶしく感じる) ●眼球の中心部が濁って見えにくい
治療法
【初期】●薬物療法:点眼薬の投与
【進行】●手術:濁った水晶体を除去し、眼内レンズ(人工の水晶体)を挿入する手術を行う。日帰り手術や短期入院が可能
※手術後は、感染症予防のために薬物治療を行う
高齢者には注意が必要です!
白内障は糖尿病の合併症として起こりやすいので、並行して原因疾患の治療にも専念する
アセスメントのポイント
●視力低下がどの程度進んでいるか
●基礎疾患に糖尿病はあるか
●視力低下による日常生活での支障はどの程度か
今後の見通しと支援
白内障は加齢に伴い発症し、軽度も含めればほとんどの高齢者が罹患。日常生活に支障をきたした場合、手術治療が検討される。白内障の予防や進行を抑えることが重要。
日常生活の留意点
●糖尿病になると、白内障が進行しやすくなる。普段から食生活と運動に留意して、生活習慣病の予防に気をつける
●強い赤外線や紫外線は避け、春から初夏にかけては紫外線の量が増えるので、帽子、日傘、サングラスなどで紫外線対策をする
●朝や夕方の太陽光は、紫外線が目に入りやすいためサングラスの着用がおすすめ
●見えにくい場合、視力低下を補助する用具も活用
医療連携のポイント
●手術の可否など今後の治療方針の確認
●点眼薬などの用法・用量などの確認
使える制度
●一定の条件を満たした場合:身体障害者手帳、障害年金