腎臓病で最も多い疾患群

慢性糸球体腎炎とは、腎臓にある糸球体が炎症を起こし、急性発症に引き続くか、蛋白尿もしくは血尿が偶然発見され、少なくとも1年以上にわたり持続する病態。
上気道炎、消化器症状などの先行感染に引き続き急性発症するものと、健康診断などにより偶然、蛋白尿や血尿の指摘を受ける潜在発症(チャンス蛋白尿、チャンス血尿)がある。腎臓病の中でも大きな比率を占める。単一の疾患を指すものではなく、lgA腎症(最多)をはじめとする計7つの病型がある。いずれも原因は不明だが、免疫反応の異常によるものが多い。
それ以外にも、糖尿病性腎症など別の疾患に続発することもある。初期は目立った症状がなく、多くは急性糸球体腎炎などの急性期疾患が慢性化するか、健康診断などで尿に異常が見つかるといった経緯で診断。病勢の進行は病型によってさまざまだが、発症後20年以内には人口透析が必要になる。

症状

●むくみ ●たんぱく尿 ●高血圧 ●血尿 ●めまい ●肩こりなど

治療法

薬物療法:病型に応じて利尿薬、降圧剤などを投与
食事療法:減塩、低たんぱく質食など
透析療法:腎不全まで症状が進んだ際に行う

高齢者には注意が必要です!

①食事療法のカロリー計算の際には加齢を考え合わせた調整が必要
②血尿をみたときは、同時に腎臓や尿路の悪性腫瘍も疑う

アセスメントのポイント

●日常生活の支障はどの程度か
●疾病に対する本人の理解はどうか
●食事の内容や食事摂取状況はどうか

今後の見通しと支援

根本的な治療方法がないため、症状を軽減し、進行を遅らせるための食事療法や運動療法が重要。症状が安定していても、突然悪化することがあり、定期的な受診が必要。

日常生活の留意点

●過度に安静にせず、通常通りの生活を続ける
●室内の温度を調節し、とくに冬には冷え過ぎないように保温
●腎機能が正常であれば、食事では塩分制限が中心
●禁煙をお薦め、飲酒は適量
●風邪などの感染を契機として腎炎が悪化したり、ネフローゼ症候群が再発したりすることがある。感染予防が重要

医療連携のポイント

●定期的な通院
●食事療法について確認

副作用・治療の影響

ネフローゼ症候群を伴う慢性系糸球体腎炎で使用する副腎皮質ステロイドホルモン剤では、満月様顔貌、にきびなどの副作用がある

使える制度

●難病医療費助成制度(lgA腎症の場合)

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