出血部位によっては致命的となる脳血管疾患

脳内出血とは脳内の血管が何らかの原因で破れ、脳の中(大脳、小脳及び脳幹)に出血した状態をいいます。出血することで、激しい頭痛を始めとする様々な症状をきたし、出血する部位により被殻出血、視床出血、大脳皮質下出血、小脳出血などに分類されます。
このうち視床出血は高い死亡率を示し、一命を取り留めても後遺症が残ることが多いとされます。原因としては、急な寒さへの曝露、ヒートショック、ストレス、喫煙、アルコール、塩分、肥満、運動不足など様々な要素が挙がるが、高血圧によるものが全体の6割を占め最多とされます。
また入浴、興奮、排便など血圧が上昇する際の発症も多い。再発を防ぐためにも、血圧の管理が重要です。

 

症状

●激しい頭痛 ●嘔吐 ●めまい ●麻痺 ●しびれ ●大きないびき

 

治療法

薬物療法:血圧を下げる降圧剤を用いる。また脳の浮腫を取る脳圧降下剤を併用する場合もある
手術:血腫が取り除けそうな場合に行う
リハビリテーション:後遺症に対して行う

 

高齢者には注意が必要です!

①加齢で血管がもろく破れたり、脳アミロイド血管症による脳出血が増えるため、血圧が正常な人でも可能性はある
②近年では高齢者の視床出血が増加中という報告もある

 

アセスメントのポイント

●麻痺などの合併症、後遺症の程度の把握
●食事、入浴、着脱、排尿動作の自立の程度

 

今後の見通しと支援

生活機能の改善と再発予防のためのアプローチは脳梗塞と同様ですが、高血圧のコントロールがより重要。専門職によるリハビリテーションのほか、通所サービスや日常生活での運動も取り入れていきましょう。

 

日常生活の留意点

●毎朝起床後に、血圧と脈拍を測るなどの定期的な血圧管理を徹底しましょう。
●食事は減塩、高たんぱく食とし、過食とならないようにしましょう。喫煙、飲酒も控えましょう。
●入浴の前後は、血圧の変動が激しくなります。お湯の温度は38~40℃位と低めに設定し、特に冬場は、脱衣所や浴室を温め温度差を少なくするなど配慮しましょう。
●昼間や活動時は血圧が高くなるので注意が必要。

 

医療連携のポイント

●降圧目標値を医師に確認
●リハビリテーションの評価

 

副作用・治療の影響

カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツとの食べ合わせに注意が必要。

 

使える制度

●介護保険の特定疾病 ●身体障害者手帳 ●障害年金

 

 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で