男女とも死因のトップ。女性の罹患率が増え続けている
肺がんとは肺にできるがんのことで、近年患者さんの数が増加しています。肺は胸の大部分を占める臓器で左右に1つずつあり、酸素を血液に取り入れ、二酸化炭素を排出する役割を持つ。
肺がんとは、肺内や気管、気管支にできる悪性腫瘍の総称。進行するにつれて周りの細胞を破壊しながら増殖し、血液やリンパの流れに乗って全身に広がる。罹患率、死亡率は40歳代後半から増え始め、高齢になるほど高い。喫煙が最大の原因なので、喫煙歴のある40歳以上の人は注意が必要。受動喫煙によるリスクも高い。
症状
●せき ●喀痰(血痰) ●胸痛 ●喘鳴 ●嗄声 ●発熱 ●呼吸困難 ●疲労感
治療法
手術
放射線治療
科学療法、抗がん剤治療、分子標的治療
※末期…鎮痛剤の投与、在宅酸素療法
高齢者には注意が必要です!
高齢者では、典型的な肺がんの症状だけではなく、脳転移による頭痛、骨転移による腰痛、胸水貯留による胸痛などから肺がん(転移性肺がん)が見つかる場合もある
アセスメントのポイント
●呼吸の状態、息切れや呼吸困難はあるか
●喫煙習慣は続いていないか
●感染予防のための理解はあるか
今後の見通しと支援
肺がんでは、肺炎などの合併症に注意が必要。規則正しい生活や栄養で免疫力をつけ、感染予防対策を徹底する
日常生活の留意点
●呼吸機能が低下するため、すぐに禁煙が必要
●食事は特に制限はない。栄養バランスの良いものを規則正しく摂る
●手術後に肺がんによる息切れや呼吸困難がある場合、専門職との連携で、呼吸器リハビリテーションを取り入れましょう
●大腿などの筋肉を鍛えることで、呼吸機能の改善を図ることができる
●手術をした場合、痰が増える。口腔ケアを徹底し、誤嚥性肺炎を予防
医療連携のポイント
●定期的な通院・検査
●呼吸器リハビリテーションの評価・指示
副作用・治療の影響
手術後には痰の増加、呼吸機能の低下や痛み、免疫力低下に注意
使える制度
●介護保険の特定疾病(末期の場合)