死亡率の高い脳動脈瘤の破裂

くも膜下出血とは、脳の表面を覆う膜の一つである「くも膜」の下に出血がある状態をいいます。原因は、脳の血管の膨らみである「脳動脈瘤」の 破裂によることがほとんどです。
主に、脳動脈瘤(脳動脈が部分的にこぶ状に膨らんだもの)が破裂し、くも膜と軟膜の間にある、くも膜下腔に出血することで起こることが多い。脳動脈瘤は100人中2~3人にあるといわれ、遺伝的な原因が指摘されている。動脈瘤以外の原因としては、飲酒、喫煙、高血圧などが挙げられます。

症状

●突然の激しい頭痛 ●嘔吐 ●一過性の意識障害 ●けいれん
※動脈瘤破裂の前に動眼神経麻痺(物が二重に見えたり、まぶたが閉じなくなる症状)が出現することもある

治療法

開頭クリッピング術:動脈瘤を金属のクリップで留める
脳動脈コイル塞栓術:動脈瘤に柔らかい金属コイルを詰める
リハビリテーション:生活障害、高次脳機能障害が残った場合

高齢者には注意が必要です!

①体力的に手術が困難となり、脳自体の回復力も弱まっている。さらに合併症を起こしやすいことから、致命的になる可能性が高い
②回復しても自立が損なわれることが多い

アセスメントのポイント

●疾病管理の方針を確認
●失行、失認、失語の有無、高次脳機能低下による生活への影響はどうか

今後の見通しと支援

脳血管障害の中でも死亡率が高い。重い後遺症が残りやすい。医療との連携でリハビリテーションは早期から開始します。再発防止では血圧管理が重要。

日常生活の留意点

●過度の安静は生活不活発病を引き起こします。外出して他者とのコミュニケーションを持つなど、心身機能を活性化できるよう働きかけましょう
●高次脳機能障害は「記憶」「言語」「思考」「注意」「判断」「行動」などに障害が起き、外見からは分かりにくい。本人も自覚していないことがあるので、疾患への理解とサポートが重要
●激しい頭痛や嘔吐などの症状がみられたら、一刻も早い受診が必要
●約1ヶ月経過してから発症する「遅発性水頭症」があり、認知症、尿失禁、歩行障害などの症状が現れます

医療連携のポイント

●リハビリテーション評価、運動の程度の確認
使える制度
●介護保険の特定疾病
●身体障害者手帳
●障害年金

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