「長寿遺伝子は誰もが持っているDNAのひとつ。しかしこの遺伝子が寝た状態になっている人も多く、スイッチをONにすることが、アンチエイジングの鍵。いつまでも若々しく健康でいる秘訣なんです」

こう話すのは、長寿遺伝子研究の第一人者・順天堂大学大学院教授の白澤卓二さんだ。

「長寿遺伝子の研究で訪れた長野県の北部に位置する高山村は、人口約8000人のうち、4分の1が65才以上の高齢者。ここに住む人のDNAを100人以上調べてみると、老化で短くなるはずのDNAが長く、ほとんどの人が平均を大きく上回っていました」(白澤さん・以下「」内同)

2月28日に公表された「都道府県別生命表」(2010年)によると長野県は男女とも平均寿命で1位。1人あたりの老人医療費も安い。

「医療費が安いのは普段の暮らしで病気を予防できているからです。高山村はりんごの名産地でもあり、普段からりんごをはじめ、老化を防ぐ働きをする抗酸化成分が豊富な果実や野菜をよく食べています。さらに、高地にある果樹園まで毎日よく歩くなど、適度な運動も欠かさない。こういったことも長寿の要因と考えられます」

長寿遺伝子のスイッチを入れるには、ポリフェノールが鍵を握るという。

「長寿遺伝子のスイッチをONにする=アンチエイジングには、食事、運動、抗酸化食品が重要だと私は考えています。普段の生活スタイルを見直すことで誰でもスイッチを入れることができます。

何より重要なのが、老化のいちばんの原因といわれる“酸化”を防ぐこと。ストレスや睡眠不足は、体や脳を酸化させ、病気や認知症の原因になります。また、紫外線は肌を酸化させ、しわやシミを引き起こします。こういった酸化を食い止めるには、果物や野菜に含まれるポリフェノールなどの抗酸化成分を積極的に摂って体内を中和させる必要があるんです」

抗酸化成分のなかでも注目されている成分がある。

「抗酸化成分の中でも、今注目しているのが、りんごに含まれる抗酸化成分“ポリフェノール”。りんごポリフェノールは、緑茶に含まれている抗酸化成分で有名な、カテキンがさらに結合されていて強い抗酸化力をもち、吸収率が高いことがわかっています。

なかでもりんごの皮の部分に多く含まれていて、とくに未熟な若摘みのりんごに多く、成熟したりんごの約10倍の濃度があります。ただし若摘みは手にはいりにくいため、普通のりんごの場合は、皮ごと食べたり、皮ごとジュースにしたりすると多く摂れます」

 

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