【概念】

急性気管支炎の多くは、かぜ症候群での上気道の急性炎症が連続する気管から気管支へと波及することで発症します。

【疫学】

急性上気道炎が気管から気管支まで波及し、せきやたんを伴うようになったものを急性気管支炎と診断するため、その頻度は極めて高いとされています。

【原因】

原因微生物としては、かぜ症候群と同様にウイルスによるものが多いといわれています。肺炎マイコプラズマや肺炎クラミドフィラなどの非定型病原体が原因となる場合もあります。一部では、ウイルス感染に引き続いて、二次性の細菌感染が起こる場合もあります。

【発病のメカニズム】

多くはウイルス感染により、気道上皮の壊死、脱落などが起こり、気道が障害されると発症するといわれており、二次的に細菌感染を生じると肺炎にいたる場合もあります。

【症状】

主症状としてはせき、たん(膿性のこともあり)があげられます。発熱、食欲不振、全身倦怠感といった全身症状を伴うことや前胸部不快感を伴うこともあります。

【診断】

主にせき、たんといった臨床症状から診断します。発熱を伴うことも多いですが、一般には身体所見に乏しく、軽症なことが多いです。しかし、発熱などの自覚症状が長引く場合には、肺炎の合併を鑑別する必要があるため、胸部エックス線画像もしくは胸部CTで影の出現がないことを確認する必要があります。細菌による二次感染を伴うとたんの量が増加し、性状も膿性となってきます。

【治療】

①対症療法
原因菌の多くはウイルスであることから、インフルエンザを除いて病原体に特異的な治療薬はありません。このため、安静、水分栄養補給などの対症療法が中心になります。
②細菌感染が疑われた場合
適宜、抗菌薬を使用します。

【生活上の注意】

かぜ症候群と同様に普段から感染予防をすることが大切です。マスク着用や手洗い、うがい、咳エチケットを励行してください。

【予後】

基礎疾患を有する患者に細菌感染を合併したような症例を除けば、一般的に予後は良好です。

 

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